保護猫の里親になりたいと思っても、気になるのは保護猫が攻撃的なのではないかという点ですよね。
最近テレビで保護猫が取り上げられるようになり、保護したボランティアさんをシャーシャーと威嚇する姿が放映される事もしばしば目にします。
野良猫の生活は過酷。
カラスなどの外敵から身を守り、人間に虐げられ、更に猫同士の縄張り争いで精神は常に緊張している状態で、満足にご飯も食べられず安心してぐっすり眠ることも出来ません。
人間だって、こんな生活を送っていたら、おかしくなってしまいますよね。
現在、我が家には3匹の保護猫がいます。
その中で現在9歳になるメス猫のあんこは、保護される前に虐待を受けていた猫。
この子が生まれてから生活していた公園では、野良猫へのいたずらが後を絶たず、ボランティアさんが緊急保護を行いました。
当時あんこは生後2ヶ月ぐらいで、母猫と兄弟姉妹猫とともに一家で保護されました。
恐怖に怯えながら幼少期を過ごしたあんこは、今でも攻撃的な一面があるのです。
私があんこと出会った時のお話はまた別の機会にするとして、今回は保護猫の攻撃性について考えてみたいと思います。
目次
保護猫はボランティアさんがある程度人馴れ訓練をし、里子に出されます
基本的に保護されて間もない猫は、人間を威嚇し、時に攻撃的になります。
猫はとても警戒心が強い動物ですので、ボランティアさんたちは時に何日も何週間も掛けてようやく保護をします。
保護をするとケージで人馴れ生活の始まり!
ボランティアさんにご飯をもらい…
名づけをされ名前を呼んでもらい…
少しずつコミュニケーションを図って、
ボランティアさんの努力で「人間は怖くない」と覚え、人馴れをして初めて里子に出されるのです。
ですので、保護ボランティアさんの元から里子に出された子の多くは、人馴れをしています。
里親になるあなたが1から人馴れをさせなくてはならないケースはほぼありません。
[note title=”注意”]【人馴れ】とは、人間全般に対して慣れていない状態、人間と共同生活を営めない状態を指します。猫ちゃんは新しい環境に慣れるまで少し時間がかかるため、迎え入れて暫くは新しい家族に対し警戒しますが、それと【人馴れ】は別だと考えて下さい。[/note]
ただ、もともとも性格や育って来た環境によっては、どうしても完全に人馴れしない子もいます。
人馴れ訓練を受けた保護猫全員が100%気を許すわけではありません
冒頭でもお話ししたとおり、我が家には攻撃的な猫がいます。
あんこは他の兄弟姉妹猫と違い、恐怖のあまり一緒に過ごしていたはずの家族猫に対しても警戒心を抱き、家族と同じケージで暮らす事が出来ませんでした。
そのためボランティアさんは、大人しい成猫2匹の暮らす、人目につかない場所にあるケージにあんこを住まわせたのです。
猫は通常、生後3~9週で社会科期を迎えます。
この時期に兄弟姉妹猫と喧嘩や遊びのコミュニケーションを図り、力加減を学びます。
この時期に健全に過ごし親猫から健全に自立した猫は、社交的でフレンドリーな性格のまま成猫になっていく可能性が高いのです。
でも我が家のあんこのように、この時期に極度の恐怖にさらされたり、兄弟姉妹猫と遊びや喧嘩が出来ない状況で育った場合、どんなにボランティアさんが頑張って人馴れをさせようとしても、人間に対し警戒心を抱き続けたまま…という事があります。
あんこの場合は人間に対する恐怖だけでなく、兄弟姉妹猫と遊ばなかったため、遊びの際の力加減を学ばずに成猫になりました。
そのため攻撃的なだけでなく、あんこは遊んでいるつもりでも、相手を傷付けてしまうことがあるのです。
もちろん、わざわざ自分から寄ってきて本気で攻撃をしてくることはありません。
でも、あんこの近くを息子や夫が通りかかると強烈な猫パンチを繰り広げたり、時には爪を向ける事も。
我が家の攻撃的な猫、猫パンチの威力は凄まじいですがこんなにいい子です
息子が5歳になった今でも、あんこと息子の関係には気を使います。
でもそんな攻撃的なあんこですが、こんなにおりこうさんなんですよ。
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- 家具や壁などで爪とぎをせず、爪とぎだけで爪を研ぐ。
- テーブルやキッチンの上に乗ったり、人間の食べ物を盗み食いしない。
- 人間の物を傷付けたり破壊するなどのいたずらもしない。
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我が家はあんこが先輩猫のおかげで、後から来たおもちとあずきも、テーブルに乗ったり壁や家具で爪とぎをする事はありません。
こんなにいい子、なかなかいないと思ってます!
人間も同じように、怖い思いをすればわが身を守るために攻撃的になりますよね。
もともと持ちわせている性格もそれぞれ。
個々に長所短所があるように、猫にも同じく個性があります。
人馴れさせる自信がない人は、ぜひボランティアさんの元から迎え入れて下さい
あなたがもし『保護猫を迎え入れたい』と考えているのであれば、保護猫ボランティアさんの元から引き取ってください。
野良猫を自分で保護した場合、人馴れを自分でしなくてはならない可能性があります。
仮に餌などでどうにか捕獲出来たとしても、人馴れしていない状態から病院へ連れて行き、同じ空間で生活をするのはなかなか大変です。
我が家のあずきは捕獲後、運よくすぐに人馴れしましたが、それでも保護ボランティアさんの元で人馴れした猫の方が断然楽だと感じました。
保護ボランティアさんの元で過ごした猫は、「人間と一緒に生きていく」という練習をある程度済ませた猫。
それに、保護ボランティアさんの元から引き取れば、その子がどのような性格なのか、ある程度教えてもらうことが出来ますよ。
保護猫との生活は、保護猫が今まで暮らしてきた環境も受け入れるということ
私たち人間と同じように、猫にも今まで育って来た環境があり、それに元々の気質が合わさってその子の性格になります。
怖い思いをしてきても、再び人を信じてべったり慣れてくる子もいます。
あんこのように、いつまでも人間とある程度距離を置いて生きていく猫もいます。
あなたが出来る範囲で構わないのです。
あなたが「人馴れをしている子を引き取りたい」と思うのは当たり前の事で、大切なのは家族がいない猫ちゃんが1匹でも家族を見付けること。
この記事があなたの役に立つことを願っています!